今川の酢

清らかな水、澄んだ空気のなかで時間をかけ、手間をかけ、
初代から変わらぬ静置発酵法でお酢を製造しています。
やさしくまろやかな口当たり、自然の甘みと旨みを閉じ込めた深い味わいが
他にはない、今川酢造ならではの味となっています。

静置醗酵法(天然醸造法)とは

酢は、速醸造法・準速醸造法での製法と、天然醸造法で造られるものなどがあります。
今川酢造はタンクでゆっくり醗酵する天然醸造法(静置醗酵法)で造っており、この方法は日本でも数少ない造り方となっています。お酒(醪・もろみ・製造免許を要する)を造ってからお酢にしますので、大変時間と手間がかかります。そのため醸造過程でのエキス分も豊かに含まれ、まろやかな味となります。

今川の酢ができるまで

お酒をつくる。

良い酢は、良い酒から。寒の時期の酒仕込みからはじまります。
1. 国産のうるち米をつかった蒸し米、麹、水からお酒をつくります。
2. 蒸し米は放冷機にかけて、適温にまで冷やします。
3. 寒い時期に仕込むため、タンクに“むしろ”を巻いたりして大切に保温します。
  小さい樽から力をつけて、うつしてまた、力をつける。
  添仕込み→中仕込み→留仕込みの順で仕込みます。
4. よく混ざるように“櫂(かい)”と呼ばれる棒を使い、
  一日何回もついてやります。
5. 良いお酒ができるよう、「今日も一日よろしくお願いします。」と、
  話かけながら作業します。
6. 醗酵が始まるとブクブク泡が出てきます。お酒は生き物と実感する瞬間です。
酢膜

お酢をつくる。

醗酵し、まろやかなお酢へ。
1. 出来上がったお酒(もろみ)を絞り、酒(液体)と酒粕(固体)に分けます。
2. 絞ったお酒に種酢を加えます。
  ゆっくりとした自然の対流で種酢に含まれる酢酸菌による醗酵の働きが
  高まります。
  熟成しているあいだに多くの旨み成分が生まれます。
3. 静置醗酵の特徴である酢膜が表面に現れます。
4. 約4ヶ月の醗酵期間で旨みや甘みを熟成させ、口あたりもまろやかで、
  多くのアミノ酸を含んだおいしい酢ができあがります。
5. 醗酵の後、1ヶ月以上の熟成を行い数ヶ月かかってお酢が完成します。